和食のプロを見た 2/25
味覚の実態を暴くといえば某局の正月テレビ番組。
他にも同じ結果をもたらす番組があった。
どちらが高級品、あるいは本物か当てる類だ。
出演者たちが見事に外すというオチも同じ。
先日も趣旨は少し違うが、意義深い番組を見た。
番組が発掘した専属?仕事人とプロが腕を競う。
同じ料理(焼きそば)をいかにアレンジするか。
総合的に評価して勝敗を決める。
プロは和食の達人。和食だけに和風の焼きそば。
結果はプロの勝利。
番組レギュラーの仕事人初の敗北だったらしい。
かなりショックを受けていた。
なぜ注目したかというと、和食の真髄を見たから。
旬の野菜だけで肉、動物性の素材を使っていない。
焼きそばといえば普通の料理人は肉を使うだろう。
食べる側も肉入りを選ぶ人が多いだろう。
番組仕事人ももちろん使っていた。
旬の野菜はふき、大根おろしなど、意外な素材。
普通はまったく使われない野菜だ。
それで審査員(主婦)たちを感激させる味に仕上げた。
肉の旨みに頼る料理人が多い中で。
野菜は脇役、主役は肉、と考える人も多いのでは。
肉食信仰は限りなくただの油脂中毒。
でなければ野菜だけで最高の味は作れない。
精進料理でもないのに、野菜で勝負したセンスはすごい。
というのも最近の和食は肉を使うことも多いからだ。
肉食志向は和食にも及んでいると感じていた。
野菜だけで最高の味を実現、実証したことに価値がある。
ただ番組にそういう視点はなく、一切指摘していない。
和食自体は元々魚介類を使うので、精進料理とは違う。
されど影響は強く受けている。
食材に感謝したり、大切に扱うのは仏の精神。
素材の味を生かすのも精進〜の流れ。
しかし昨今は欧米志向で、乖離しつつある。
いずれ食生活編で具体的に踏み込んでいきたい。
精進料理の精神を忘れないように。