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更新案内 2017年5月22日顔は精神を映し、体は生活を映す  主宰・南雄二

5月22日 身体編 姿勢の構造3
文明文化を創造した繊細さを支える仕組み。
5月21日 雑記帳 死なない食事で死亡
奇跡のシェフに奇跡は起きなかった?。
5月11日 身体編 姿勢の構造2
物理的法則によって育まれた完ぺきな素材。
5月10日 雑記帳 iOSとAndroid
どちらを選ぶべきか。選択の決定的ポイント。
5月1日 身体編 姿勢の構造1
骨格の形態によって美の形態も決まる。
4月30日 雑記帳 ポール東京公演ルポ
ポール・マッカートニー Japan tour2017 ルポ。
4月25日 雑記帳 トクホの信憑性は?
週刊誌が特定保健用食品を糾弾しても反論なし?。

男の肖像 東郷平八郎1月1日

壮年期の軍服肖像

日本の近代史でこれほど幸せな人物は稀有。
特に軍人では突出、唯一無二。
日露戦争における日本海海戦で、ロシアの大艦隊に勝利。
一躍世界に名を轟かせた。

有色人種が白人の大国を破っただけも当時は衝撃的。
さらに戦いの内容が空前絶後の圧勝だった。
ロシア艦隊はほぼ壊滅、日本側の損害は驚くほど軽微。
奇跡的勝利で戦史に残る世界的英雄となった。
国内でも神格化されていく。

旅順を陥落させた乃木大将も陸軍の英雄とされる。
だが多くの戦死者も出て、苦戦の末の勝利だった。

明治の元勲達は非業の死を遂げた者が多い。
東郷は国民に崇敬され、晩年も恵まれ、天寿を全う。
葬儀も盛大に国葬が営まれた。
世界的英雄らしく、列強の海軍も儀仗隊を参加させた。
葬列の沿道には見送る市民があふれかえった。

その壮麗さは軍人としては例がない。
陸軍育ての親、山県有朋の葬儀と好対照と言われる。
山県は軍人としても、政治家としても影響力絶大だった。
晩年も元老として政界に君臨していたが葬列は閑散。
国民の人気の差が浮き彫りになった。

成功した人間は晩節を汚すことが少なくない。
大きな成功をするほど陥穽にはまりやすい。
神格化され、国民から愛された英雄、東郷はどうか。
晩年は人格的に完全無欠とはいかなかったようだ。
やはり人の子、神ではなかった。

日本海海戦は日本海軍の栄光の頂点かつ出発点でもある。
日本人に、特に軍人、海軍に絶大な自信と誇りを与えた。
その後の海軍の発展の精神的な支えとなるほどに。

日露戦争当時は、軍艦も欧米からの輸入。
昭和に入ると造艦技術も世界の先端を行くようになる。
自前の技術で世界有数の艦隊を築くにいたる。

その戦力で今度は米国に挑むことになる。
米国はすでに世界一の大国に発展していた。
一方日本海軍も世界屈指の実力を持っていた。

しかし敵が米国だけに不安も大きかった。
初めて欧米列強に挑んだ日露戦争に勝るとも劣らぬほど。
だが蓋を開けてみるとまたしても日本が圧勝。

真珠湾攻撃は成功、米艦隊は壊滅的打撃、日本の損害は軽微。
多くの日本人が日本海海戦を想起したことだろう。
やはり日本海軍は無敵だと。
さらに英東洋艦隊もけちらし、不敗神話が醸成される。

日本の機動部隊は世界最強、と米軍も実感していた。
自信はもともと驕りと紙一重、境界線は曖昧。
不敗神話が成り立つと、救い難い驕りに変質する。

日本海海戦(明治)以来負け知らず、今後も勝って当然。
現場の兵士から大本営、市民に至るまで甘い空気が横溢。
その先には恐るべき現実が待っていた。

日本海軍栄光の分岐点となった運命のミッドウェー海戦。
圧倒的戦力で誰もが勝利を確信していた。
事実そのときまで米軍の攻撃はことごとく退けていた。
だが突然に白日夢のようにそのときが来た。

時間にして数分程度の間に、天地がひっくり返る事態。
気がつけば虎の子の空母3隻が火だるま。
米急降下爆撃機の爆弾を浴び、無敵艦隊はほぼ壊滅。
明治以来の不敗神話も一瞬にして潰えた。

この大敗北で形勢は逆転、2度と栄光が戻ることはなかった。
ふりかえればそれまでの快進撃は悪夢の御膳たてのよう。
肝心の空母を逃した真珠湾攻撃も戦略的には失敗。
英雄のはずだった連合艦隊の山本長官も戦死。
敗北を重ね、無条件降伏へといたる。

明治に比して昭和の軍人たちは無能、愚かなのか。
と考えるのは酷だろう。まず相手が違う。時代も違う。
昭和の方が厳しい時代だった。
彼らの奢りは栄光の歴史が醸成したといえる。
逆に東郷はあらゆる点で天運に恵まれていた。

男の肖像リスト

2015〜16年
岩崎弥太郎 土光敏夫 本田宗一郎 松下幸之助
2014年
ムハメド・アリ アイルトン・セナ ヘンリー・キッシンジャー フランシス・コッポラ
2013年
三船敏郎 黒澤明 高倉健 石原裕次郎
2012年
田中角栄 室伏広治 エルビス・プレスリー 坂本龍馬 マイケル・ジャクソン
2011年
北野武 原田芳雄 ブルース・リー 石原慎太郎 ポール・マッカートニー
2010年
ジョン・レノン スティーブ・ジョブズ 三島由紀夫